令和6年度卒業式式辞

 

 本日、健康科学部を修了し、学士の学位を授与された227名の皆さん、大学院健康科学研究科博士前期課程を修了し、修士の学位を授与された17名の皆さん、博士後期課程を修了し、博士の学位を授与された7名の皆さん、誠におめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。また、皆さんを支えてこられたご家族や関係者の皆さまにも、深く敬意を表し、心よりお祝い申し上げます。

さらに、本学の設置者である青森県ならびに、日頃より本学の教育?研究にご理解とご支援を賜っている多くの皆さまに、大学を代表して厚く御礼申し上げます。

 

 今一度、このキャンパスで、多くの仲間と学び、語り合った日々を振り返ってください。これまで過ごしてきた高校や住み慣れた土地を離れて、ここ青森のキャンパスに集い、多様で個性豊かな仲間と出会い、切磋琢磨しながら学んだ時間は、皆さんにとってかけがえのない財産となったはずです。学部修了生の皆さんは、4学科の専門教育を通じて、国家資格を持つ専門職に求められる知識や技術を身につけるとともに、「人々や地域に貢献したい」という志を育んできました。そしていよいよ、その志を胸に、新たな世界へと旅立つ時が来ました。また、大学院修了生の皆さんも、多様なバックグラウンドや経験をもつ仲間たちとの学び、そして専門領域や研究に関わる活発なディスカッションは、一人一人の大きな糧となり、次の新たなステージでの大きな力となるでしょう。本学の理念である「ヒューマンケア」の基盤には、目の前の人々や地域への深い理解、多様性の尊重、広い視野と包容力、俯瞰的でグローバルな視野などがあります。皆さんは、これらの素養を備え、主体的に考え、行動するプロフェッショナルへと成長されました。

 

 世界は、かつてないほどの混迷の時代にあり、人と人、地域や国家の間で摩擦や紛争が絶えません。多様性や包摂を認めない、自己中心的で排他的な風潮も高まってきています。日本国内においても、社会的な不公正、格差、矛盾といった課題が浮き彫りになっています。さらに、自然災害も頻発し、青森でもこの冬、予想を超える大雪に見舞われました。こうした社会の変化や困難に直面する中で、私たちは、何ができるのでしょうか。個人の力は小さく思えるかもしれませんが、目の前の課題に向き合い、深く考え、小さな一歩を踏み出すことが、より良い未来につながると信じています。皆さんが本学で培った学びは、知識や技術の習得にとどまらず、「未来を切り拓く力」となっています。地球環境、国際的な歴史や地政学的状況、人口減少が進む日本の社会構造、消滅の危機が叫ばれる地方の課題、人々の幸福や健康に関わる問題、目の前の人が抱える困りごと等など、さまざまな課題に対して、本学での経験を生かし、知恵や行動力を発揮してください。

 

 本日の学位授与式の第2部では、本学の学部?大学院を修了後、顕著な活躍を遂げられた2名の方に「特別奨励賞」を授与し、その歩みをご紹介いただきます。それらに続くような、皆さんの今後のご活躍にも大いに期待しています。近い将来、さまざまな場面で皆さんと共に活動し、社会の発展に貢献できることを楽しみにしています。また、大学は研究の場でもあります。博士前期課程、博士後期課程を修了された皆さんは、それぞれの研究テーマをもち、これまで世界中で行われてきた研究論文をつぶさに調べ、新たな仮説を立て、それを検証するための研究計画をつくり、データの収集?分析、そして論文を執筆して発表しました。先日の特別研究公開発表会では活発な議論が交わされ、次の研究への着想と意欲が一層高まったことと思います。後ほど、それらの研究成果の一部を皆さんに紹介します。本日卒業される学部生の中にも、引き続き本学の大学院で学ぶ方がいますが、一旦社会に出た後に、専門性を高める道として大学院進学を一つの選択肢として考えていただければ幸いです。

 

 足球比分直播は、皆さんにとってこれからも変わらぬ「ホームグラウンド」です。社会に出て、ご自身や職場での様々な課題に直面したとき、ぜひ本学を訪れ、教員に相談してください。本学の教職員は、皆さんとつながり続け、ともに歩んでいくことを願っています。

 

 改めて、心よりお祝い申し上げます。皆さんのご健勝とご活躍を願い、式辞といたします。

 

 

2025年3月6日

足球比分直播 学長 吉池 信男

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